札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年8月6日金曜日

札幌医科大学の研修医採用面接

8月6日、冷房のない部屋で茹だるような暑さの中、札幌医科大学の研修医採用に面接役として参加した。一人10分、フォーマットに則って面接をした。札幌医科大学の研修プログラムの魅力は、大部分の受験者がたすき掛けであること、自由度が高いことを挙げていた。(皮肉なことに、大学のプログラムではありながら大学ではないところで研修ができること、大学が決めたことより自分の好きに変更ができることが魅力となっているようだ)。
理想の医師像は「実力があり、患者さんに感謝される医師」とのこと。地域医療には10年以上かけて実力をつけてから貢献したいという受験者がほとんどだった(地域医療が崩壊してゆくのは待ってはくれないのだが・・・・)。地域医療への光が見えない。もっと、光を!(山本和利)

趣味は何ですか?

『趣味は何ですか?』(髙橋秀美著:角川書店 2010年)を読んでみた。著者は、趣味は何かと問われて、「ない、ような気がします」と答える自分に唖然として、様々な人々に趣味について問いかけ、趣味とは何かを考察している。
 坂本龍馬にはまった人、航空傍受する人など変わった趣味を紹介している。さぞかし楽しいのかと思いきや皆さん「つまんない」と答えている。寒いところで何時間も耐えて無線を傍受する姿は、ジョギングと同じように苦しみを味わいたいのだろうと推測している。趣味の定番は、男性は「蕎麦」、女性は「ヨガ」だそうだ。
 「切手の消印集め」が趣味というのも面白い。消印を集めて50年。人生を振り返って「自分の時間が欲しいな」と答えている。他のことをやってみたいけれど、この趣味に縛られているからやれないらしい。「エコ」「防災」「亀」「ラジコン」にはまっている人等、様々だ。
 本書を読んでわかったことは、趣味に興じているは必ずしも楽しい訳ではなく、それに縛られてやっているのだということである。
趣味に全ての時間を捧げても楽しい訳ではないのだと考えると、本書を読むことで今自分自身が楽しくなくても人生こんなものか(趣味に逃げても同じ)と妙に納得できる効果があるかもしれない。(山本和利)

2010年8月4日水曜日

札幌医科大学のopen campus

8月3日、札幌医科大学のopen campusの地域枠学生入学についての説明役として参加した。地域枠で入学した二名の2年生が大活躍してくれた。
寺田豊助教は全体のプレゼンテーションに参加。インターネット勉強会についてと諏訪中央病院の鎌田實氏が書いた『雪とパイナップル』という絵本を紹介した。(急性リンパ性白血病であるアンドレイの闘病生活の中で、家族や医療スタッフが捜したものは希望。幸せを捜すプロセスとしてパイナップル探しがある。悲しみの中に落ちてしまうことになった時こそ人との繋がりが生きる希望を見出してくれるのではと結ばれている絵本。)参加者の心に響いたようだ。
札幌医科大学を優秀な学生がたくさん受験してくれることを期待したい。(山本和利)

2010年8月2日月曜日

The Road

 映画『ザ・ロード』(ジョン・ヒルコート監督:2009年)を観た。

  終末期の地球を書いたコーマック・マッカーシーのザ・ロードを忠実に映画化したものである。人間社会の規範が崩壊し人食いが常態化してしまった世界の闇の中で、父と子が不条理な闇と闘いながら南を目指す。映画の中で世界の破滅の原因は示されない。荒廃した風景(閉鎖された高速道路、買い物用カート、スキージャケット、ビニール袋、テープを巻いた靴)の中を現在のホームレスのような人が安全と食料を求めて彷徨う場面が続く。

  最後の場面に希望が見出せるが、現在のホームレスを生み出し続けている世界こそ終末期ではないかと思わせる映画であった。(山本和利)

エントロピー

 『エントロピーがわかる』(アリー・ベン-ナイム著:講談社 2010年)を読んでみた。

  エントロピーは不確実性に繋がるので、題名をみて購入してしまった。エントロピーは増す方向にあり決して元に戻らない理由を、専門家でない一般読者にも伝わるように書かれた本である(読んでみると実際は難しい)。熱、温度、秩序、無秩序など、サイコロゲームを使って説明している。「系はいつも低い確率の事象グループから高い確率の事象グループに進む」「起こる頻度の高い事象は、高い頻度で起こる」を延々と説明してゆく。

 情報理論に興味のある者には、付録の「茶さじ1杯の情報理論」に書かれている「最もおろかな戦略」と「最もかしこい戦略」が参考になろう。(山本和利)

北山修の臨床心理学入門

 40年前フォーク・クルセダーズで活躍した精神科医で精神分析の専門家である北山修氏の退官講義を収めた『臨床心理学入門』(NKH教育 2010年7月26-29日)というTV番組を観た。40年の時が精悍な青年を白髪の落ち着いた感じの紳士に変えていた。TVにはこの40年間あえて出なかったとのことである。その理由の一つとして、TVは「うら」を伝えられないこと、見ることで想像ができなくなり、創造力が低下することを挙げていた。
臨床心理において、「ことば」は5つの点で重要である。
1. 名付けをする。
2. カタリシス効果をもたらす。
3. 意識化する。
4. 心の内容が変質する(部分的にしか表せない)
5. 人生を物語にする。
日本語は非言語化を好む。日本人は鬱積を心に溜めやすい。・・・中略・・・

  TVやビデオで編集が進むと、素顔がどこかに行ってしまい、「自惚れ鏡」となってしまう。時代がどんなに進んでも自分の心を映し出す鏡はない。カウンセラーは心の照らし返し役になることで、生き残る道がある。そうなるためには修行(口伝)が必要であり、包容力のある二者間「内」交流ができなければならない。

  ラストメッセージは「いなくなるから取り入れられる」であった。(子離れしない母親の話すことを子は受け入れない)。定年で教官が去っていくのも重要であるといって教壇を去った。
ポジションに執着しないことも重要なのであろう。(山本和利)

薬剤師・看護師学び直しプログラム

7月31日、北海道医療大学主催の「薬剤師・看護師学び直しプログラム」の講義を担当した。受講者は札幌が30名、北見が12名(遠隔授業)。14時開始。二人一組になってもらいアイス・ブレーキングの後、質問を交えながら聴講者参加型の講義を進めた。最初は「エビデンスに基づいた医療提供とは何か」で、PECO、患者中心のoutcome、エビデンスの寿命、EBMの4ステップ、情報の4Sを解説し、50歳硬性の高脂血症を例に情報の批判的吟味を行った。
後半は「文献のクリティークの基礎」ということで、「夜間に足がつる」患者さんが薬局に来たという設定で演習をした。資料として、メルクマニュアルならびにDynaMed、UpToDateを用いた。はじめは文献なしで薬剤師役、顧客役のやりとりをしてもらい、段々と情報を増やしてゆく方法をとった。
コメディカルが聴講者の場合、英語力が医師に比べてやや劣るため英語資料をどう用いるかが今後の課題と思われた。とは言え、思った以上に会場が盛り上がり、好評であった。
(山本和利)