札幌医科大学 地域医療総合医学講座

自分の写真
地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年1月12日水曜日

権力の館

『権力の館を歩く』(御厨 貴著、毎日新聞社、2010年)を読んでみた。

政治の上での権力者の館(住居や別荘)を訪ね、「建築は政治を規定するか」どうかを検証した本である。

「建築と政治」は歴史教科書には、「いつ」「どこで」がセットになって記念性・象徴性とともに記載されているが、実は日常性の中にこそ存在するのではないかという仮説から著者のオーラルヒストリー手法を駆使して本書は執筆されている。

本書の内容は、元老西園寺公望と「坐漁荘(ざぎょそう)」から始まり、小沢一郎「深沢邸」で終わっているが、3部構成に成っている。第一部は権力者の館、第二部は権力機構の館、政党権力の館である。

日本の政治がどこでどのように動いてきたのかそれとなくわかる。それよりも、本書を読むことで、自分自身の住居や仕事場の部屋のあり方を再考する契機になるかもしれない。(山本和利)