週末に参加した第 15回日本渡航医学会と
第14回札幌GPカンファレンスについて。
午前中は第 15回日本渡航医学会に参加。
今回は東日本大震災の影響で会場が関東から札幌医科
大学へ会場が変更になっての開催となりました。
日本では移民が少ないのであまり知られていませんが
移民や難民の多い海外では割合知られている医学領域
です。例年は日本国内もっぱら海外への渡航者や海外
在留法人への演題が主になるのですが、今回はNZでの
大地震と続く東日本大震災の発生により災害医療が
大きなトピックとなりました。
31日午前まで開催されるので明日も参加してきます。
午後3:00より同じく札幌市内で第14回札幌GP
カンファレンスに参加。
渡航医学会の行われている札幌医科大学から会場まで
自転車で行ったのですが、夏の札幌は爽やかで気持ち
良いですね。
本日の演題は2題
最初は手稲渓仁会札幌クリニック続木康伸先生
「ステロイド恐怖症」
アレルギーのある小児の症例シナリオを元にして臨床医の
思考をひもといていく。患児だけでなく家族背景を踏まえ、
治療態勢を構築していった過程を披歴されました。
若い先生には現場でのリアルなやり取り、臨床判断、総合医
として患者、家族の将来のQOLを改善する事など、多くの
学びの糧が含まれていました。
「研修が楽しくなるポートフォリオの作り方」
勤医協 札幌病院 佐藤健太
ポートフォリオが医学教育に取り入れられたの意外な
ことに1990年代。成人学習理論を用いた学習アウトカム
を重視した研修評価です。
振りかえれば自分が研修を受けた10年前は指導医
も研修医も手探りでやっていた気がします。
指導医と研修医の相性など、指導評価は主観的であり、
お互いストレスになったりしていました。
自分が指導医になってみると、指導医も方法や方針に
悩みながらやっていたのだと気づきます。
ポートフォリオを使用した指導法は学習者と指導医双方に
メリットがあり、有効なツールと考えます。
しかしポートフォリオを用いた学習法は学習者にある
程度の自律性を求めますので、必修スキルの修得に
追われる初期研修時代よりも後期研修に向き、臨床
での問題の多様性、複雑性のより多い総合医、家庭医
の教育に親和性が高いのだと感じました。
ポートフォリオも万能ではないので教育のツールとして
上手く利用する事が大切ですね。
講師のお二人の先生とも、スライドもプレゼンテーションも
こなれていて、素晴らしかった。非常に刺激になりました。
(助教 稲熊)