7月19日、札幌医科大学で開催された医療安全講演会の講義「不祥事の失敗学」を拝聴した。講師は警察大学校の樋口晴彦氏。
1. マニュアルが増えると現場の業務が杜撰になる。上層部から不要なマニュアルを10%減らすように指示するくらいの働きが重要である。
2. 短期的な業績向上ばかりに執着すると、安全性に問題が起こる。
3. 外部委託にはリスクが付随し、その管理には相応のコストを要する。
4. 過度の成果主義は、組織と個人との利害が相反する状況を作りやすい。
5. 世論におもねった不祥事対策は、あらたな不祥事を誘発しやすい組織環境を作り出す。
6. 組織のトップは70%くらいの力で仕事をして、残りは現場を回るくらいが丁度良い。
現場の意見を吸い上げ、外部対策用のマニュアル作りはほどほどにというところか。(山本和利)