『幸福な生活』(百田尚樹著、祥伝社、2011年)を読んでみた。
著者は1作ごとに全く異なるジャンルの作品を発表し、読者の意表を衝く作風の持ち主である。
「最後の1行がこんなに衝撃的な小説はあっただろうか」と帯に大きく書いて購買欲をそそる。
認知症の「母の記憶」、夫の寝ごとと夫そっくりな人の意味を問う「そっくりさん」、取り柄のない男と結婚した美女の結婚を決めた理由がわかる「生命保険」等、本書は18の短編からなる。どの短編の結末も、ページをめくると最後の1行が出てくるように工夫がされている。
不思議なもので、予想が当たるとがっかりする。どのくらい驚きがあるかあなたの推理力を試してみてはどうでしょうか。(山本和利)