札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年2月7日月曜日

インテリジェンス 闇の戦争


『インテリジェンス 闇の戦争』(ゴードン・トーマス著、講談社、2010年)を読んでみた。英国の100年間の情報機関の活動すなわち、諜報、防諜、プロパガンダ等について書かれた本である。EU内には25の情報機関があるそうだ。2009年8月、英国のMI5(英国内の安全保障)とMI6(海外での諜報活動)が創設100周年を迎える。どの国でも右派が軍部や軍需産業と癒着し、一方リベラル派は安全保障や国防に音痴であるといわれる。MI6は2,500人の正規職員と同数の契約職員を抱える。英国中に監視システムが張り巡らされた。イスラム過激派や中国人スパイにMI5は振り回されている。そんな中で情報機関も過激派も新人リクルートに奔走している。

チャーチル、ルーズベルト、スターリン、ヒットラーの話。英国に紛れ込んだソ連のスパイ(キム・フィルビー)探しの話が面白い。彼はモスクワに移住し、スパイ活動のすべてを暴露する回顧録を発表した。当時同僚であったのが作家グレアム・グリーンである。

後半は1989年以降のイラクの細菌兵器のこと、中国の天安門事件、南アフリカ共和国の生物兵器による黒人抹殺計画、9.11前後の話、等興味が尽きない話題満載である。(山本和利)