『ピープル・スキル 人と“うまくやる”3つの技術』(ロバート・ボルトン著、宝島社、2010年)の第3回目。引き続きリスニング・スキルについて。
第6-8章「ボディー・ランゲージを読む」
感情は言語より非言語行動に宿る。事実情報を伝えるには言語が最適であるが、感情表現は非言語行動が勝る。
1.一番役に立つと思う手がかりに「注意を集中する」。
1)顔の表情(目とその周辺)、2)姿勢・ジェスチャー、3)声、4)衣服・身だしなみ・環境。
2.ボディー・ランゲージは「文脈」の中で読み取る。
3.言葉と態度の食い違いに注目する。
4.自分の感情と身体的な反応に注意を向ける
汲み取った相手の気持ちを「反映」すること。しかしながらボディー・ランゲージはときに誤解を招くことがある。
反映能力を高める方法
1)わかった振りをしない、2)「気持ちがわかる」という言い方はしない、3)応答の言い回しを変えてみる、4)感情に注意を向ける、5)相手の感情にぴったり合う言葉を選ぶ、6)声で共感を示す、7)会話の具体性を高める、8)独断的にならずに確固たる応答を返す、9)相手の秘めた能力に会話の中で触れる、10)質問に隠された感情を汲み取って応答に反映させる、11)過大な期待はしない、12)反映型リスニングには時間を惜しまない。
3種類のフィードバック
1)マイナス
2)反映
3)プラスアルファ
プラスアルファのフィードバック
1)身体に触れる、2)事実情報を伝える、3)話し相手のために行動を起こす、4)専門家を紹介する、5)自己開示する、6)直面化する。
注意点
1)タイミングを図る、2)多用しない。
反映型リスニングが望ましくない場合
1) 相手を受け入れられないとき、2)相手の問題解決能力を信頼できないとき、3)相手と「一定の距離を置く」ことができないとき、4)リスニングを自分を隠す手段として使うとき、5)聞き手の心の準備ができていないとき。
リスニングは簡単ではない。
この後、自己主張(アサーション)スキル、対立解消スキルと続いてゆく。私の紹介で興味を持たれた方は、是非一読をお勧めする。(山本和利)