札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年5月20日金曜日

インスリン注入ポンプの進歩

5月19日、札幌市で開催された日本糖尿病会の「インスリン注入デヴァイスの開発」というセミナーを拝聴した。講師は米国のScott W. Lee氏である。

インスリン治療をしている患者にとって低血糖は大きな問題である。様々なインスリン製剤が発売され簡単にインスリン強化療法が導入できるようによりHbA1cが著明に改善するようになった。しかしながら、コントロール良好群であればあるほど、細かく血糖をモニターしてみると夜間などに低血糖がかなりみられるという。そこで、インスリン注入デヴァイスを用いて血糖コントロールを行うと、低血糖の頻度が減り且つHbA1Cが改善するという触れ込みである。注入の仕方も生理的な分泌を考慮して3種類あるという。そうは言っても糖尿病専門医以外がこれに取り組むには少し敷居が高そうである。

費用がどのくらい嵩むのかわからないが、インスリンの基礎分泌が著しく低下した低血糖と高血糖と繰り返す患者さんには適用があるかもしれない。(山本和利)