札幌医科大学 地域医療総合医学講座

自分の写真
地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年5月4日水曜日

さらば厚労省

『さらば厚労省 それでもあなたは役人に生命を預けますか?』(村重直子著、講談社、2010年)を読んでみた。

本書は「厚労省医系技官」に対する批判書である。 医系技官の大半は、医師免許を持っているが医療現場で責任を持って働いたことがないという。医系技官は英語論文が読めないと書かれている。

米国の患者が当たり前に使える薬を厚労省が禁止しているからという理由で、日本では使うことができない。新型インフルエンザへの対策が世界の対応をかけ離れていること、ワクチン接種体制が不備で、かつそれが医系技官の保身や国の補償経費を減らすことが目的でつくられていることなどが綴られている。新研修医制度も医系技官が導入した「問題のある制度」として言及されている。

著者は、医療制度がうまくいっていないことの諸悪の根源は厚労省の医療政策を司る医系技官であるとしている。

ここまで厚労省も罵倒されると一人くらい反論する人が出てきそうなものである。是非、厚労省からの反論を読んでみたい。(山本和利)