札幌医科大学医療救護班の第9班として4/30(土)~5/7(土)の期間、岩手県宮古市へ被災地医療支援に行きました。メンバーは医師1名、看護師2名、薬剤師1名、事務員1名の総勢5名でした。
宮古に到着してまず保健所へ行き挨拶をした後、前班から業務の引き継ぎを行いました。避難所4か所を担当、午前・午後に分け診療にあたりました。避難所での診療は、連休中であることも影響して、被災者の方々は昼間、がれきの片付けで街に出掛けており、お年寄りや介護が必要な方が中心でした。避難所には介護保険の書類手続きが進まず施設入所が遅れている方、気切チューブを留置している方、被災後にヘルニアの手術を受けて、すでに退院して避難所で生活している方など様々な方が診察室を訪れました。小学校の校庭には次々と仮設住宅の建設が進められている中で、すでに連休前の時点で市内の診療所・調剤薬局は、ほぼ全てが再開されておりました。
我々5名の宿泊先は共生推進センター2階研修室。畳の上に座布団を引いて、ガムテープで固定して敷布団を作ったりして寝ていました。施設内は電気も、ガスも、水道も通っていて、水洗トイレも平常通り使えました。お風呂は向かいの銭湯を利用していました。食事は大学が用意してくれた保存食品を主に消費していましたが、外食も可能で、スーパーやコンビニの商品はとても充実していました。街は住宅や電柱がなぎ倒され、積み重なったがれきの山がある一方で、市内の魚菜市場では魚や帆立、毛蟹がならび家族連れの買物客で賑わっていました。
今回の被災地医療支援を通して強く感じたことは、限られた条件の中で、年齢や性別、疾患に捉われず診療できる医療班(チーム)が求められていることです。以前より、医師不足・地域医療崩壊が叫ばれていた地域で、継続性を持った医療の必要性を感じました。
被災地の皆様に謹んでお見舞い申し上げますと共に、一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。(河本一彦)