6月18日、第259回北海道内科地方会に参加した。
血液・内分泌・神経・感染症・アレルギー関連の一般演題を聞いて得られたclinical pearlを以下に紹介する。
・抗血小板薬を内服中の患者にTTP症状が出現したら、副作用を疑う。頻度は低いがクロピドグリルでも起こりうる。
・発熱、浮腫、呼吸困難等の症状で、血液・画像精査をして確定診断ができないときには、血管内リンパ腫を疑う。
・健康成人に突然みられた血小板減少症に遭遇した時には、リンゴ病(ヒトパルボウイルスB19感染)を疑う。
・非定型抗精神薬内服中の患者の意識障害をみたら、耐糖能悪化による糖尿病昏睡を疑う。
・原因不明の低血糖、心室細動の原因として副腎不全が隠れていることがある。
・ミオパシーの原因として副腎不全も鑑別に入れる。特に好酸球増多や高K血症がみられるときには。
・治療効果のでない急性咽頭炎に出会ったら、HIV感染を考慮する。
・高タンパク血症、低アルブミン血症をみたらJgG、特にIgG4関連疾患を考慮する。
・下血、発熱など激烈な症状を呈する疾患として顕微鏡的多発血管炎があるが、生前診断は難しい。
一般演題終了後、専門医部会は『ヒヤリハット症例から学ぶリスク管理』という企画を実施した。企画を松浦武志助教が行った。(山本和利)