札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年6月2日木曜日

第11回全国大学総合診療部連絡協議会

6月1日、つくば国際会議場で開催された第11回全国大学総合診療部連絡協議会に参加した。

主幹校筑波大学の五十嵐徹也病院長の開催挨拶の後、文科省高等教育局医学教育課新木一弘課長から「大学病院の諸課題について」の講演があった。
モデル・カリキュラムの改訂について。基本的診療能力の習得、地域医療を担う意欲、研究マインドの涵養、社会的ニーズへの対応(チーム医療、少子高齢対策)、評価システムの確立(臨床実習の評価)、充実した指導体制、等を目指す。
大学病院による被災地への医療支援へのお礼。
大学病院における総合診療部の役割。62大学。昨年と同じ内容のため資料のみで割愛となった。大学病院は節電の対象とならないと報告。

<議事>
・総診部門の講座化の提案が名古屋大学伴信太郎氏からなされた。救急部と一体化しようする動きがあるが、それが総合診療という学問領域を弱体化させかねない。
・岐阜大学から「総合診療で病棟を持とう」という提案がなされた。
・横浜市立大学から「総合外来実習を組み込む」提案がなされた。
・大阪医科大学から「近畿地区大学病院総合診療部連絡協議会」開催の報告がなされた。

後半はパネルディスカッション形式で、「大学総合診療部の目指すべきもの」を討議した。東京医科大学大滝純司教授、九州大学林純教授、富山大学山城清二教授、札幌医大の山本和利がパネリストとして発言した。

「大学の総合診療部が発展しても、国民が不幸になるような議論だけは避けてほしい」と山本は発言した。全国の大学総合診療部の実態は、トップの経歴が様々であり求められている機能も個々に異なるため、雑居状態といえそうだ。医療制度の改善を求めてゆくためには、全国の大学総合診療部が分裂したりせず大同をもって小異を棄てて、一団結して行動できるようにしたいものである。

来年は三重大学が主幹校に決定した。(山本和利)