札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2011年6月26日日曜日

花形演芸三人会

『花形演芸三人会』で春風亭昇太、柳家花緑、柳家三三の落語を札幌市民ホールで楽しんだ

開口一番の前座の後、柳家花緑(かろく)の登場。マクラはタクシーの中での会話や弟子の教育、アンティークの話。聴き始めてすぐに、この人はこんなに滑舌が悪かっただろうかという印象をもった。演目はマクラのアンティークから予想した通り「火焔太鼓」であった。古今亭志ん生や志ん朝と比較するのは酷かもしれないが、それにしても滑舌が悪すぎる。「~じぁないですか」という今風言葉を頻発。消化不良の高座であった。

二番手は柳家三三(さんざ)。なよなよと歩いて登場。すらっとした優男。マクラから滑舌よく、リズムがいい。演目は初な若旦那を花柳界につれてゆくという『明烏』。これが落語という流れるような進め方。途中、前に出て話した落語家の内容を絡めて笑いをとる芸も挿入(これは柳家喬太郎が得意にしているが)。人物の演じ分けもよくできている。何度でも聞きたい落語である。さすが小三治の後継者。

トリは春風亭昇太(しょうた)。私と同じ静岡出身。新作を中心に活躍し、若い女性に圧倒的な人気を誇る独身男。今回は何と古典の『宿屋の仇討ち』であった。江戸へ帰る途中のはしゃぎ回る3人連れと前夜周囲が騒がしくて眠れなかった侍との一夜の騒動。これは威厳をただした侍と騒がしい男たちの演じ分けが難しい。一歩間違えると騒がしいだけの落語になってしまう。立川志の輔のCDを聞いてもうまく演じ切れていない。小三治の『宿屋の仇討ち』は絶品である。昇太の『宿屋の仇討ち』は、自分の個性を活かして騒動しくもおかしみが混じり、うまく演じきっていた。昇太の古典落語を生で聞くことができたのは儲けものであった。

妻の趣味につきあっているうちに、生の落語を聴くことが楽しみになった。いつも苦労して切符を手配してくれる妻に感謝、感謝!(山本和利)