札幌医科大学 地域医療総合医学講座
2011年4月13日水曜日
ハーブ&ドロシー
『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』(佐々木芽生監督:米国 2008年)という映画を観た。 ニューヨークをはじめとする米国で熱狂的に迎えられたドキュメンタリー映画である。
小さなアパートで暮らす二人の老人の現代アートコレクション(4500点超)がアメリカ国立美術館に寄贈された。20世紀のアート史に残る作家の名作が多数あり、それらは時価にしたら数百億円の価値があるという。彼らはニューヨークで暮らす郵便局員と図書館司書の夫妻に過ぎない。二人の共通の趣味は現代アートのコレクションである。給料に限りがあるので“自分たちの給料で買える値段であること。アパートに収まるサイズであること。”が購入の基準となる。
好きなことをやり続けることのすごさ、お金に囚われない姿勢に感動する。夫婦が手を繋いで美術展を回る姿がほほえましい。素晴らしい夫婦愛を描いて映画でもある。
コレクションといえば、私の場合、よくジャズのCD売り場にゆく。東京の大きなCD販売店では、買い物籠をいっぱいにしてなお目をギラギラさせながらCDを漁っている客を見かける(ほとんどが男性であるが)。こうなるとCDを聴くことよりもコレクションそのものに取り憑かれているのかもしれない。私もジャズの雑誌で勉強して、ほしいCDを厳選し、自分の給料を考えて購入を控えるようにしている。(山本和利)