『倚りかからず』(茨木のり子著、筑摩書房、1999年)という詩集を読んでみた。
「倚りかからず」
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足でたっていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
凛とした態度で、孤高に生きる姿勢に己の弱さを見た。頑張らなければ!(山本和利)