6月25日、特別推薦学生を対象にランチョンセミナーを開いた。11名が参加。身体診察その2と題して木村眞司先生が心臓の聴診の指導を行った(臺野巧先生が実習の補助に飛び入り参加)。まず参加学生の一人に前に出てきてもらい、外来患者として聴診を行った。
ポイントと話の進行。
1. 高齢者の大動脈狭窄の音を見逃さない。第二肋間胸骨右縁で。首への放散に注意。同時に脈をとって立ち上がりが鈍くないか。
2. 解剖の復習。胸骨と肋骨の関係。ルイス角の部位が第二肋骨の付着部位である。
3. 男子学生に裸になってもらい、直接マジックで胸骨と肋骨を書き込んだ。
4. 他の10名の学生に触れてもらいながら部位を確認する。私も触らせてもらった。
5. 4つの聴診部位(大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁、僧帽弁領域)を教えた。
6. I音(三尖弁、僧帽弁の閉鎖音)、II音(大動脈弁、肺動脈弁の閉鎖音)の識別。
7. CDで聴いてみる。イチニ、イチニ、イチニ(タッタ、タッタ、タッタ)
8. 実際に聴診器を使って聴いてみる。
9. I音とII音の区別がつかないときには、I音とII音の間に脈が触れるので脈を参考にする。
午後の授業の関係で3年生が30分のみの参加となってしまったが、全員が目を輝かせて参加していた。一部の学生は後ろ髪を引かれながら授業へ。
ミニ知識。
膜型:高い音、ベル型:低い音、を聴く。走ると拡張期が短くなる。III:心室への急速流入音、容量負荷。大動脈閉鎖不全の時、Kentuckyのリズム。心尖拍動が触れるあたりで。IV音:心房から出る。心不全。拡張障害。Tennesseeのリズム。(山本和利)