札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年6月14日月曜日

江別市立病院教育カンファランス

6月12日、江別市立病院で行われた「川島篤志先生による教育カンファランス」に参加した。前日に講演「地域基幹病院の総合内科が地域医療を変える-成功している公立病院からのメッセージ-」があったが、拝聴できなかった。
当日朝7時開始であったが、都合で9時から参加した。会場は50名ほどの若い医師の熱気でムンムンしていた。7-8名1組6グループで討議が行われた。
症例提示後、患者さんの症状に合わせて、「熱と頭痛」で鑑別診断を3つ挙げる課題が出た。感冒、髄膜炎、PMR,側頭動脈炎、副鼻腔炎、脳膿瘍、歯性上顎洞炎、Still病、偽痛風(crowned dens syndrome)、などがあがった。
議論が進む中で、参考になったこと。
「赤血球円柱、蠟様円柱を見たら要注意。」
「腎臓は身体所見ではわからない。」
「過去のデータを取り寄せる。」
「関節炎はアルゴリスムがあるから簡単。分岐点を押さえる。関節穿刺をする。」
「診察では関節列隙を意識する。」
「静脈洞血栓症を意識して眼底を見る。」
「ネフローゼ患者の患者が腹痛の場合:静脈血栓症を考える。」
「小動脈がやられていると考えたら、腎、肺、神経、皮膚の4つをチェックする。」
「ANAはSLEに関連するもので、膠原病のスクリーニングではない。」
「好酸球からみの病気はステロイド治療を開始すると組織所見が変化してしまう」
その後、感染症疾患の実際と銘打って呼吸器疾患9例を提示。肺結核を中心に講演。
肺結核のリスク。ニューキノロンは結核をマスクする。疑ったら動く。粟粒像を見たら粟粒結核、癌を疑い、隔離、胃液培養、肝生検等を考慮する。非定形抗酸菌症を提示。ニューキノロンを安易に使わない。
休憩を挟んで「症例プレゼンテーションのコツ」を伝授。プレゼンテーション・フォーマットを話す側と聞く側で統一させる。プレゼンテーションは臨床能力を反映する。上手なプロファイルでイメージを持ってもらう、等教えてもらった。
最後は身体診察の小テストを受けた。頭の先から爪先まで、質疑応答を繰り返し2時間以上の講義であったが、大変役にたつものであり、身体診察の大切さが身にしみた。もっと勉強しなければと痛感した。川島篤志先生、ありがとうございました。お疲れ様でした。
(山本和利)