札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年6月14日月曜日

全国大学総合診療部連絡協議会

6月11日、東京の順天堂大学センチュリータワーで開催された全国大学総合診療部連絡協議会に参加した。主幹校医学部長の開催挨拶の後、文科省高等教育局医学教育課新木一弘課長から「大学病院の諸課題について」の講演があった。総合診療部には62大学病院に教授が49名でいる。大学病院医師数は29,000名であり、総合診療に関わる医師数154人(0.5%)にすぎない。入院患者を扱っている病院もあるが、外来診療のみの大学が多い(54.5%)。また患者数は多くなく、診療単価が低いため収入も少ない。
総合診療部には、収入のことではなく、地域医療をする人を育てる臨床研修のあり方であり、臨床実習を見直し、医学教育の充実(基本的診療能力を身につける、総合診療、地域医療の現場との連携、チーム医療を支える(360度評価))等を期待している。そのため、モデルカリキュラムの改訂を考えている。総理の所信表明で「強い社会保障」を挙げた。医師数を増やす方針で、国立大学の地域医療教育の講座の充実(2名分)を図れることになっている。
大学総合診療部へのアンケート結果では、常勤3-5名が多く、3年間で変動がないところが一番多い。一日外来患者数;10-20名。
質疑応答で、様々な意見がだされた。「大きな絵を描く」「明文化して大学総合診療部が一体となって総合医を増やす政策を要求する」など。総合診療医学会、家庭医療学会、PC学会が統合された中にあって、総合診療医学会は2つに分裂してしまって重苦しい雰囲気であった。小異を捨てて大同団結したいものである。(山本和利)