6月16日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は12名。
今回は若林崇雄医師が司会進行役。ユニークな疑問を投げかけて質疑応答を深めてくれた。
ある研修医は、ラポール形成が困難であった入退院を繰り返すCOPD,HOT導入中で点滴希望の70歳代男性を報告。家族カンファランスを企画し、介護サービスの利用、訪問看護を提案。ヘルパーに情報が筒抜けになってしまうので提案を拒否。3回の面談の中で週1回の診療所受診を提案。SSRIを処方し不安感を軽減させた。解決に近付けたのは、落とし所が見つけられたのが大きい。今後、継続性が問題になるという意見が出された。
入院患者・再診患者が増えて目の前の仕事をこなしていくのが精いっぱいの研修医。そんな中にあっても診療内容を記録することが大切と自覚している。初診外来を13時まで行い、その後入院患者への対応。仕事を受ける境界線を作ったり優先順位をつけたりする必要があるのではないかという意見が出た。病院全体の医療者に負担がかかり過ぎている状況で、業務改善をどうしたらよいか、悩ましい問題だ。
食道癌ターミナルの患者・家族への対応。術後、UFT内服で経過観察中、食欲不振、全身倦怠感にどう対応するか。患者に対する家族の一人の気持ちが逸り過ぎる傾向あり、癌患者の心理過程をブロックしている。この家族のケアが重要であろう。病室に行ったら患者さんと握手をしようと思っている。
高齢者のケア。認知症、III度AVブロックを抱える患者の糖尿病が悪化。薬を内服する時サイダー、甘酒を飲んでいたことが判明。糖質0のサイダーに変えたら、糖尿病のコントロールが改善した。状況を把握することと改善策を提示することの大切さを痛感。
胃癌術後で精査をせず訪問管理を受けている患者。介護者の急な入院に伴いホスピスへ入院に導くことができた。オピオイド開始して経口摂取可能となった。侵襲の少ない検査をするべきではなかったか。疼痛の評価よかっただろうか。認知障害のある高齢患者の疼痛患者の評価について報告してくれた。
終了後、8月富良野で行う予定のカンファランスのやり方について意見交換がなされた。(山本和利)