札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年5月20日木曜日

5月の三水会

 5月19日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は12名。
 今回は大門伸吾医師が司会進行役。ある研修医は、家庭医研修の一環としての研究プランを発表した。病院への受療行動を質的に研究したい。地域診断をして、ヘルス・プロモーションを行い、受診率を上げたい。中高生への健康教育を行うことでその親である35-55歳の住民にアプローチし、なぜ地元の市立病院を受診しないのかを、教職員への教育、PTAへの講演、生徒への教育を介して、情報収集したいと。デルファイ法を用いて各年代にかかわる人たちを抽出し自由に意見を書いてもらう方法も考えている。どのようにしてアンケートをとるかなど問題点が浮き彫りになってきた。
 別の研修医が、脳梗塞、パーキンソン病で経口摂取ができなくなった高齢女性の事例を報告した。胃瘻を増設せずCVポート埋め込みをしたが、今後どのようにしたらよいか。これまでに自宅で老人が食べられなくて死んでゆく場面に出会ったことがない。自宅で介護ができないと病院に置いてもらい、病院の方針に家族は従うしかないということもあるのか。様々な意見が出た。
 肝障害、肺線維症を抱える50歳代女性。医師の伝える病名に納得せず、説明に苦慮する事例。呼吸苦、不眠。過去に家庭内に不幸な事故があった。不信感を一度もたれてしまった患者にどのようにしたらよいのか。
 総合内科の仕事には波がある。全科救急当直の報告。頭部外傷での教訓:「画像より先に止血をしなさい」。肘内障や痛風発作患者を経験。胸が締め付けられる50歳代男性。AMIを疑ったが最終的に大動脈解離と診断された。一段落したところで寿司を食べながら個々の事例を発表し合う。(山本和利)