『エントロピーがわかる』(アリー・ベン-ナイム著:講談社 2010年)を読んでみた。
エントロピーは不確実性に繋がるので、題名をみて購入してしまった。エントロピーは増す方向にあり決して元に戻らない理由を、専門家でない一般読者にも伝わるように書かれた本である(読んでみると実際は難しい)。熱、温度、秩序、無秩序など、サイコロゲームを使って説明している。「系はいつも低い確率の事象グループから高い確率の事象グループに進む」「起こる頻度の高い事象は、高い頻度で起こる」を延々と説明してゆく。
情報理論に興味のある者には、付録の「茶さじ1杯の情報理論」に書かれている「最もおろかな戦略」と「最もかしこい戦略」が参考になろう。(山本和利)