12月15日、医学概論Iで「医師に必要とされる多角的能力」という講義を行った。これは札幌市内の医療機関で行う実習の導入として企画されたものである。
まず、医師の仕事について高校生レベル向けに書かれた本の内容をかいつまんで紹介した。
後半、これまでに私が出会った様々な患者さんたちのことを提示した。リアルな社会の物事は、複雑で、不確実で、不安定で、独特で、価値観に葛藤があり、単純な対応ができないことを示した。
1年生は、4年生たちとは異なり、内職をしている学生などなく、目を輝かせて聞いてくれた。大変気持ちよく講義ができた。
講義終了後、「あなたが考える医師に必要な能力」「実習に望む意気込み」等を書いてもらった。臨床の話に飢えているようで、「はじめて医学部入ったことを実感できた」、「臨床が複雑であることがわかった」、「コミュニケーションの重要性を再認識した」等、たくさんの気づきが見やすい字で紙いっぱいに記載されていた。学生全員が聴講したことを喜んでくれており、講義した私としては望外の喜びであった。(山本和利)