先日、高野山の宿坊「一乗院」に泊まり、精進料理を味わった。仏教では僧は戒律五戒で殺生が禁じられており、大乗仏教では肉食も禁止のため、野菜・豆類など、植物性の食材を調理して食べる。参詣参篭が信仰の重要な一部となる真言宗系の高野山では、精進料理は僧侶には必須の食事であり、食事もまた行のひとつである。ここでも、研修生が食事の接遇にあたっていた。参拝者を宿坊に泊め、精進料理を提供して仏門の修行の一端を体験させている(こうすることで商売ではなく、宗教活動とみなされれば、税金の額も違ってくるという説もある?)。

夕食の中の一品にアボガドがあり、醤油をつけて食べるよう勧められた。時代に合わせて、メニューも少しずつ変化してきているようだ。
忘年会のシーズンである。たまには健康のために精進料理などがよいかもしれない。(山本和利)