10月3日、北海道プライマリケア研究会第52回学術集会に参加した。
一般演題。
第1題目。「99カード」の使用報告。オレンジ色の袋に薬剤情報を入れて、玄関枠に設置しておくと、救急対応時に有益である。
第二題目。総合診療科におけるPIPC(Psychiatry in Primary Care)の使用経験の検討.
身体化障害やうつ病を疑った場合にこれで問診すると15分くらいで終了し、診断・治療に有益であった。
第三題目。若手家庭医のへき地診療所での実践。患者数が増え、一人の受診回数や医療費が減少し、医療費が大幅に減少したことを報告した。
第四題目。粟粒陰影を示した3事例。粟粒結核を鑑別することが重要で、従来の喀痰検査に加えPCR法やQFT2Gが有効である。
第五題目。ジスロマックSRによって発症した横紋筋融解症。幸い補液のみで1カ月後正常化した。ジスロマックSRによるものはきわめてまれであるが、注意が必要である。
第六題目。大腸憩室から出血を繰り返した抗血小板薬使用例。ステント治療をしたばかりの人の場合、薬剤をどのようにしたらよいのかが議論となった。
第七題目。非胸痛性急性心筋梗塞の臨床像。20%に胸痛なし。重症感が強く、嘔吐、冷汗は早めに心電図をとること。非胸痛は下壁梗塞に多い。死亡率が高い。12誘導心電図で95%は診断できた。
特別講演は京都大学の福原俊一教授の「プライマリケアの研究とは?」というものである。
いつになく沢山の参加者があり活発な討議が行われた。(山本和利)