札幌医科大学 地域医療総合医学講座

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地域医療総合医学講座のブログです。 「地域こそが最先端!!」をキーワードに北海道の地域医療と医学教育を柱に日々取り組んでいます。

2010年7月21日水曜日

上越地域家庭医療研究会


7月16日、第4回上越地域家庭医療研究会に呼ばれて講演をさせてもらった。上越市は新潟市から特急で2時間と思ったよりも時間的に遠い所である。私の講演の前に行われた平原克己先生の「地域の患者のために薬剤師とEBMする」の発表は、薬剤師の方たちとの勉強会の活動報告であるが、非常にレベルの高いものであった。製薬会社のエビデンスの報告の仕方に問題があることなど(有意差のでないprimary outcomeを差し替えたり、患者にとってあまり意味のないoutcomeをprimary outcomeに加えて結果を大きく見えるようにしたり)を鋭く指摘した。
講演では、医療を科学的に展開することは大事であるが、エビデンスは日々刻々変化するものであり、最近の報告では約5年間で半分のガイドラインが書き換えられること、様々な人間を対象とした臨床研究ではしっかりとした研究計画に則った研究であってもその成果の25%しか説明できないことなどを解説した。考古学や農業の話をまじえて、すべてが科学的に対応できる訳ではないので、人間的・物語的に対応することが大事であることを、事例を挙げて解説した。
講演後、上越市で開業している同窓の塚田次郎先生と30年ぶりの再会を喜び合った。
 懇親の席では、新潟の銘酒で診療の在り方談義となった。(山本和利)