7月21日、札幌医科大学において三水会が行われた。参加者は11名。
大門伸吾医師が司会進行役。合田尚之先生から苫小牧で行われたPEACE(緩和医療)セミナーの報告。事例を用いて討議し、家族の意向を聞きながら解決法を探す。地域ごとで顔の見える関係を作ることを目的としている。現実的にはネットワーク作りが難しい。それに触発されて寺田豊助教が在宅医療の「おかえりなさい」プロジェクトを紹介。
途中、卒業アルバムにための写真撮影。合田先生が差し入れくれたお菓子を食べながら討議が進む。
食道癌ターミナルの患者・家族への対応、その後(6月にも提示)。術後、家族の一人が必要以上に患者に張り付いている傾向がある。市役所から虐待疑いの連絡があり、事実確認。・・・どこまで家族の問題に介入すべきなのか。ここで寺田豊助教が家族志向のケアについて概説した。介護の背後にDVの可能性を考えることも必要。4つのキーワード:(一人は危ない。二人も危ない。第三者を登場させる。仲間を作ろう。)参加者から様々な意見が出た。
腰痛あり、骨そしょう症があり、新鮮な圧迫骨折で救急受診した80歳代女性。嫉妬・被害妄想で家族に愛想を尽かされている。家はごみ屋敷化。精神科で門前払い。市からも見放された。妄想性障害と妄想性人格障害について概説。入院後、出張の精神科医に相談。療養型施設を紹介し受諾。適切な距離を自覚して信頼関係を築くことができた。研修医から妄想疾患の診断、認知症の診断の難しさが述べられた。
病院の方が居心地よいので家よりも病院にいることが多い。外来初診ではわからないことが多くて、その都度調べている。「冷たいものを食べると腹を下すような気がする」患者。味覚障害について調べてみた。「検診で両上肢に紫斑のある高齢者」調べると「老人性紫斑」が多い。反省メモを書いて、ネットで調べて、手持ちの本、文献の順番で調べている。各自の勉強法について報告。研修医からの反省:上級医に聞くだけでは駄目で、自分自身で調べないと身に着かない。