例えば、呼吸困難患者100名の3音の聴取について、表のような結果が得られたとしよう。
B医師 A医師
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所見(+)
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所見(-)
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所見(+)
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5
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5
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所見(-)
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15
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75
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所見(+)で一致が5名、所見(-)で一致が75名なので5+75=80。80/100=0.8。単純な一致率は80%ということになる。これをsimple agreement(単純な一致率)という。
実はA医師は20%の患者に所見ありと判断し、B医師は10%の患者に所見ありと判断している。その点を考慮すると偶然に所見(+)が一致する率は0.1×0.2=0.02、100名中2名は偶然一致することになる。同様に偶然に所見(-)が一致する率は0.9×0.8=0.72、100名中72名は偶然一致することになる。そうすると所見あるなしは、2+72=74で74%は偶然に当たったともいえる。偶然ではなく一致する割合は26%(100-74=26)しか残されていない。偶然を越えて一致した率は単純な一致率は80%から74%を差し引いた6%ということになる。26%のうち6%一致したので、偶然を越えた一致率は6÷26=0.23となる。この値をκ値(カッパー値)という。