6/29に仙台市国際センターで行われた「第26回東北救急医学会学術総会」に参加してきました。どんな学術集会に参加しても毎回すべてが勉強になります。「救急」関係の学術集会に参加したのは2年振りですが、その中で特に興味深かったことを報告します。
「救急医療における腹腔鏡下手術の有用性」というタイトルでランチョンセミナーを受けました。予定手術の場合、腹腔鏡下手術は低侵襲で術後の創部痛も少なく、従来の開腹手術よりも有用であるとの報告がされております。ただその一方で、術者の技量によるところも多く、自動縫合器や超音波凝固切開装置など特殊な器具の準備など手間がかかります。救急医療の現場では、当然、予定手術はなくほぼすべてが「緊急」手術になります。そうした「人」「準備の時間」を考えると、緊急手術は当然、開腹手術になります。自分が外科に携わっていた際には開腹手術が当然でしたが、ここ数年で時代の流れが変わりつつあるようです。演者先生方の鮮やかな手術映像を拝見しながら、「経験を積んだ術者」「スタッフ」「道具」がそろえば腹腔鏡下手術が有用であると考えました。
緊急手術でも腹腔鏡下で行うためには、やはり十分なスタッフとお金が必要です。地域医療でもスタッフやお金の問題がありますが、やはりどの分野においても不足しているものは共通しているようです。(助教:武田真一)