11月14日、第44回日本糖尿病学会北海道地方会に参加した。
午前は、インスリン・薬物療法を中心とした一般演題を中心に拝聴した。観察開始時のHbA1c>9%でもインスリン導入率は4割程度。Pioglitazone(アクトス)は単独でもインスリン併用でも体重を増加させる。皮下脂肪が増加する。強化インスリン療法を離脱できた群は、肥満群でCPR分泌がよく、離脱しやすい。メトフォルミンを高容量1500mg/日でHbA1cが1.8%まで低下する。
午後は、DPP4製剤を中心に拝聴。
ランチョンセミナーは京都府立医科大学福井道明先生の「将来を見据えたインスリン治療戦略」を拝聴した。
11月14日は世界糖尿病dayで、各地でブルーにライトアップが行われていることを紹介。
インクレチン・ブームである。しかしインスリンをうまく使うことが大切。内服薬単剤では6割がHbA1c>7%。医師が糖尿病ならHbA1c>7.7%で導入したいと思っているが, 患者さんに実際に導入しているれべるは9.2%となっている。HbA1cの値に対して、軽症では食後高血糖が寄与、コントロール不良では空腹時血糖が寄与している。
単純で確実なインスリン戦略が重要である。まず、空腹時血糖を下げる。内服薬に少量持効型インスリンを加える(BOT)。注射を毛嫌いする患者さんも、体験すると変容する。アピドラは亜鉛無添加で即効性。胃切除患者に推薦できる。
まずライフスタイル+メトフォルミンで、さらに基礎インスリン、さらに基礎インスリンPLUS、さらに強化インスリン療法。日本では混合製剤が多いが、これは推薦されない。混合型2回から持効型1回へ。混合型は低血糖が多い。体重も増えない。
大変参考になったが、選択した論文が後援する製薬会社の製品を絶賛する内容ばかりであり、インスリン製剤一般についてもう少し別の視点の論文を加えて公正な発表にして欲しかった。その方が説得力が増すと思うのだが・・・。(山本和利)