3原則は
・患者の福利を第一に考える
・患者の自律性(patient autonomy)を尊重する
・社会正義(social justice)を推進する
「医師の特権」には「社会への責任」が伴うことを肝に銘ずること。
12班に分かれて、以下のテーマについてグループ討議をしてもらった。
- ステロイド筋注を要求して受診したアレルギー性鼻炎,喘息の患者
- 関連病院への転院を勧めても拒否する嚥下性肺炎治癒後患者.
- 製薬会社の勉強会に強制的に出席を求められる某教室
- 再三ミスを犯し続ける同僚
- 医療崩壊しても全く動かない行政.
正論を強調する「正義」の回答が多く見られた。
休憩後、後半は医療について。
鎌田實氏の『雪とパイナップル』、映画『ディア・ドクター』を紹介し、SEAの導入とした。SEA(Significant Event Analysis)とは、現実の事例の中で特に重大であると発表者が 感じた点について掘り下げていく方法である(元々第二次大戦中の米国の空軍・航空学領域での心理プログラムとして開発されたCritical incident technique から発展した)。
小グループでファシリテーターのもとに安全な雰囲気で行うことが大切である。
経験を振り返って成長していく人がプロフェッショナルとドナルド・A・ショーンの理論に基づいている。
1.Reflection in action(行為の中の省察)
2.事態が終了したあとに振り返る⇒Reflection on action(行為に基づく省察)
*出来ればチームや同僚で忌憚なく話しあうのが重要
3.この振り返りから新たな自分のまとめ
= 実践の理論を導きだす
⇒ Reflection for action(行為のための省察)
の三段階からなる。
1.10分でSEAシートに記載する。
2.一人ずつイベントの描写の部分のみを発表する。
3.みんなのイベントを聞いて、今回話し合いう。
したい事例の人を一斉に指さして下さい
4.一番多く指をさされた人の事例を発表のSEAとする。
5. 司会は司会役が行う。
30分ほどこの作業を行い、各グループから1名が発表を行った。
学生の感想を読むと、SEAのセッションが好評であった。他の学生の人生での感動的な場面を知り得たこと、仲間と意見交換ができて、貴重な体験となったようだ。学生達には、CBT(知識)臨床入門コース(技能)、NBMコース(技能・態度)、プロフェッショナリスムコース(態度)で培った能力をバランスよく発揮して、臨床実習の場で活躍してもらいたい。(山本和利)