『モールス』(マット・リーブス監督:米国 2010年)という映画を観た。
スウェーデンで作られたバナパイヤー映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイイク版。ホラー小説家スティーヴ。キングは「『モールス』はジャンルを超えた金字塔である、ただのホラー映画ではない、過去20年間における最高のアメリカのホラー映画である」と高く評価している。
雪に閉ざされた田舎町で残酷な連続猟奇殺人が起こった。そんな中、車の事故で頭から硫酸を被った男が病院に搬送される。そしてその男は手がかりとなるメモを残し病室から転落死してしまう。
主人公は12歳の男児。離婚の危機で精神的に不安定な母親と二人きりで暮らす。学校ではいじめにあっている。ある夜、雪の中を裸足で歩く隣に越してきた少女と出会う。
実はこの少女がバンパイアー。男児と少女はモールス信号で、壁越しに話をする。このエピソードから日本語タイトルは「モールス」としたのだろうが、英語タイトル「LET ME IN」の方がいいように思う。
スリラー映画としても楽しめるが、男児が12歳というところがこの映画の肝か。観る人によって様々な解釈ができそうである。(山本和利)