11月9日、第2回北海道身体疾患と不安抑うつ研究会で東邦大学橋詰勝敬准教授の講演を拝聴した。
頭痛の分類
・一次性
片頭痛:800万人
緊張性頭痛:1600万人
・二次性
慢性頭痛の明確な定義がない。一次性頭痛と薬物乱用性頭痛が主。
心理的背景を有する患者は間違いなく多い。
心療内科では、慢性連日性頭痛、身体表現性障害、小児・思春期例、妄想、人格障害を依頼される。
20歳代女性。就職後に頭痛。混合型頭痛。最近、テレビが面白くない。本が読めない。不安が強い。→混合型頭痛うつ状態、社会不安障害、
治療はどうするか?SSRIかトリプタノールを使う。
20歳代女性。抑うつを伴う片頭痛。上司と不仲。不眠、食欲不振。
治療:デパケンR400mg,ジェイゾロフト、メイラックス。トリプタンの頓用。さらにストレスマネージメントを併用した。
抗うつ薬が痛みに効く効果
・疼痛閾値を上げる効果
・痛みの下行伝導を抑制
・オピエート様効果
・NMDA受容体を介した効果
片頭痛の共存症にどんなものがあるか。
うつ病の人は新規に片頭痛になりやすい(オッズ比9.3)
片頭痛のある人はうつ病になりやすい(オッズ比10.5)
頭痛には、うつ、不安、ストレスが絡んで慢性化、増悪につながる。
小田原幸臨床心理士の講義
頭痛の非薬物療法
・心理教育
病態生理の説明、服薬指導、生活指導、頭痛日記(セルフモニタリング、増悪因子の同定、除去)
・認知療法
ものの考え方、深層レベルから表層レベルまで「出来事に対する理解の仕方」
認知モデル:状況→認知→行動、気分、身体に影響する目標:認知を修正に、問題解決に向かいやすい気分や志向、行動に近づける。
コラム法(5つのコラムを使う:状況、不快な感情、自動思考、適応的思考、結果)、適応的思考をすることが難しい・・・そこで、客観視する、立場を変えてみる、違う心境で考える、時間の観点を変える、過去の体験を振り返る。
・リラクゼーション
・自律訓練法
・バイオフィードバック療法
1960年から、生体情報をフィードバックする。皮膚温、筋電図。ゲーム感覚で楽しめる。子ども・思春期症例に使いやすい。精神疾患には向かない。
・漸進的筋弛緩法
簡略化:1回5分で一日3回行う。
腕、首・肩のリラクシゼーションの具体的な指導を受けた。
腕、首・肩のリラクシゼーションの具体的な指導を受けた。
(山本和利)