1) パターン認識
2) 多分岐法(multiple branching
method)
3) 仮説・演繹法(hypothesis-deductive
method)
4) 徹底的検討法(method of
exhaustion)
胸痛の症例で検討。ます、命に関わる病気を見逃してはいけない。4 chest pain killer(急性冠症候群、肺塞栓症、解離性大動脈瘤、緊張性気胸)。
前説の後、労作性狭心症を例にして講義をすすめた。
科学的に診断するためには、はじめに、事前(検査前)確率を想定することが大切である。
一般に医師が診断に用いる推論は患者の年齢,性別,人種,主訴から,ときに身体所見や検査データから初期仮説を形成することから始まる.これは経験的,主観的なものであるため、厳密なものではないが、データを蓄積することによって一般化できることもある
初期仮説で想定した病気の検査前確率は,病歴と身体所見から推定される.
2×2表を書いての検査後確率の計算。検査の結果(横に)と真の診断の結果(縦に)である4種類の組み合わせを表現した図である。
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至適基準
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あり
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なし
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検査
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陽性
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TP(真陽性数:●)
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FP(偽陽性数:▲)
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陰性
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FN(偽陰性数:■)
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TN(真陰性数:◆)
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科学的な考え方として、Bayesの定理を紹介。
科学的な考え方。Bayesの定理
18世紀に英国人Bayes Tが考えたもので「はじめに考えた可能性」に「あとから得られた情報」を加味すると「あとで考える可能性」が得られるというものである。診療の場面では(検査前確率)を想定して、検査の(感度・特異度)を用いて計算すると(検査後確率)が得られる、となる。
検査結果が陽性であれば即診断確定というわけにはいかず、表でいうと、検査が陽性の場合の検査後確率=●÷(●+▲)であり、検査が陰性の場合の検査後確率=■÷(■+◆)である。
感度=●÷(●+■)=TP/(TP+FP)と表される。感度を知るためには、表を縦みることがポイントである。
特異度=◆÷(▲+◆)=TN/(FP+TN)と表される。特異度を知るためには、感度と同様に表を縦にみることがポイントである。
聴講者へのメッセージ
ある患者について、大部分の医師が想定する検査前確率とはかけ離れた検査前確率を想定する医師は、確定または除外診断に至るまでに、さらに高額で危険な検査を追加するはめになる。
そうならないためには、しっかり医療面接をし、身体所見をとって検査前確率を適切に想定する努力が重要である。(山本和利)