授業の最初に、稲熊助教が「医療面接の理論と基本」の話をした。第一段階は医療とコミュニケーション。ファーストフォード店の店員と医師の違いを問いかけた。「医療は最初からリスクの高い職場である」「患者やその家族の感情の中で働く」「マニュアル化しにくい事象を扱う」こと、患者には相反する気持ちが同居しているので、それに対応できるだけの理論と技術が必要であることを強調した。
第2段階、非言語的と言語的コミュニケーションを説明。場のセッティングが重要である。空間をコントロールすること、身だしなみを整えること、自分の第1印象をコントロールすること。聴く技術と訊く技術の大切さを強調した。
第三段階、医療面接の実際を解説した。
Take home Messageは「医療面接もコミュニケーション技法を用いた一つの技術である」「技術に心を込めるのがプロフェッショナルである」
ポイントは
・身だしなみ、言葉づかい、礼儀
・医療面接の目的、意義
1.
患者と良好な関係を構築する
2.
患者から情報を収集する
3.
患者への働きかけ(治療・教育)
・面接の手順と把握すべき情報
はじめはOpen-ended questionを用いること、その後にClosed questionに移ること。
・基本的コミュニケーション技法
1.
導入
2.
主訴の把握
3.
共感
4.
説明モデルを知る
5.
不足分を直接質問法で補う
6.
既往歴・家族歴・患者背景を聞く
7.
要約と診察への導入
8.
患者教育・治療への動機付け
次回は学生同士で実際にシナリオを用いた実習である。頑張って!(山本和利)