7月20日、日本内科学会第51回生涯教育講演会が行われた。
信州大学 田中栄司先生
■B型肝炎(HBV)
B型肝炎は多彩な病態を示す。
HBsAg(現在感染)
HBsAb(過去感染)
HBcAb(現在+過去感染)の3つでスクリーニングをする。
HBV DNA量が7ログ以上が高容量、4ログ以下が低容量である。
複製の起点であるHBVcccDNAをどの薬も破壊できないため、HBVを完全に排除できない。
日本人に多いGenoetypeはC,Bjである。B型はインターフェロンに反応し、非活動性に移行しやすい。A型はキャリア化しやすい。
治療薬はインターフェロンと核酸アナログ(エンテカビル)である。インターフェロンは治療期間が24-48週間と限定されている。核酸アナログはHBV複製過程を直接抑制する。今年度登場するテノホビルは妊婦への安全性が高い。インターフェロンはdrug freeをめざし、35歳未満の非伸展性活動性肝炎が適応となる。
HBs抗原陽性のHBVキャリアでは、通常の化学療法でも高率に再活性化する(Denove肝炎)ため、基本的にエンテカビルの予防投与を行う。
ステロイドは、ウイルスを直接刺激し、リバウンドを起こすので要注意である。