『14歳のための時間論』(佐治 晴夫著、春秋社、2011年)を読んでみた。
著者は、量子論に基づく宇宙創生理論{ゆらぎ}研究の第一人者である。本書は『14歳のための物理学』の姉妹編だそうだ。
こども向けに1週間で時間について語るという構成になっている。読みやすい日本語で書かれているが、内容を理解することは難しい。
著者がまとめた時間の本質。
1)「“何ものも存在しない、変化しない”という場合には、時間があるのかないのかを考えることは、難しい」ということ。
2)「宇宙の究極は完全なランダムに向かっている」ということ。
3)「そのランダムに逆らって秩序に向かう営みが、何ものかを規則正しく刻む“リズム”というものであり、それこそが“生きている”ということの証になる」ということ。
最後に「これから」が「これまで」を決める、と書かれている。未来が過去を決めるということ?
本書を読んでも、「時間」について理解が深まったという気持ちにはならないが、「時間」について考える契機にはなるであろう。(山本和利)