ある研修医の経験症例。皮膚科・形成外科で研修中。外来研修が主。夜間救急症例を提示。33歳のアルコール性肝硬変。腹痛、嘔吐、下痢。腎前性腎不全で入院。嘔吐、腹痛の30歳男性。マロリーワイス症候群。80歳男性が下腹部痛で受診。虫垂炎疑いで入院、その後、発熱し肺炎の治療。42歳男性の嘔吐。消化管穿孔であった。40歳女性の心か部痛。まずは妊娠の否定を。急性腰痛の36歳男性。重い物を持ち上げた時。腰椎椎間板ヘルニアと診断。SRL テストは陰性に意味がある。31歳女性の失神。起立性低血圧をチェック。妊娠、子宮外妊娠を否定すること。
研修医から振り返り1題。
51歳男性。のどが痛くて飲み込みにくい。下痢、咽頭痛。咽頭に軽度発赤以外所見なし。呼吸音の異常なし。WBC:18000,
CRP;1.2,急性咽頭炎と診断した。頸部側面軟部組織XPはとらなかった(Thumb sign)。
帰宅後、症状が悪化し、再度受診。ファイバーで喉頭腫脹あり。急性喉頭蓋炎と診断され入院。咽頭痛があるにも関わらず、咽頭所見が乏しかったので帰宅させてしまった。
リスクファクター
・高血圧、糖尿病、薬物乱用、免疫不全。
疑わせる症状
・咽頭痛、発熱、くぐもり声、よだれ、ストライダー、嗄声、・・・。
クリニカル・パール: 咽頭痛と咽頭所見が一致しない場合には(臨床所見に比して訴えが強い)、急性喉頭蓋炎を疑い、入院、ステロイド治療を行う。
コメント:killer sore throat(急性喉頭蓋炎、咽後膿瘍、アナフィラキシー、扁桃周囲膿瘍、Lemierre症候群、Ludwig's angina)を念頭において除外すること。喉頭に圧痛がなければ、急性喉頭蓋炎は除外できるのではないか。(山本和利)