ある研修医の経験症例。耳鼻科で研修中。副鼻腔炎、扁桃腺炎が多い。扁桃摘出術、鼻中核矯正術。いびき、SASの検査。救急外来は、インフルエンザが多い。25歳男性、膝の蜂窩織炎と診断し、抗菌薬投与。31歳女性、顔面の帯状疱疹。23歳女性、発熱、頸部痛、EBV感染症。
8か月男児の痙攣。不機嫌で手を震わせる。嘔吐。体温が38.4℃。3分間の間代性痙攣。
痙攣の家族歴なし。7.4kg, RR;78/m ,RR:20/分。SpO2:99%,
脳波はspike & wave。MRIの拡散強調画像で皮質下白質高信号。痙攣重積型急性脳症と診断し、高度医療センターに転送となった。
はじめは良性疾患を考えていたが、入院後痙攣が重積し、痙攣重積型急性脳症の可能性が高まり、愕然とした。ICの時、母親が冷静に対応されたことが救いであった。土日に検査ができなかったことが悔やまれる。
てんかんの診断フローチャートを紹介。部分てんかんの第一選択薬はカルバマゼピン。
熱性けいれん。左右対称性の痙攣。発熱時、20分以内、発作後意識はある。(1歳未満で発症、親に既往があると再発率が高い)。発熱が8時間以上続く場合は、ジアゼパンを投与。
クリニカル・パール:反復する痙攣を見たときには、速やかにMRI,脳波を。
コメント:出生時に問題があったのではないか。受診時には痙攣重積状態であったのだろう。早く気付いたら予後が改善したか?再発した熱性けいれん例にどう対応するか?てんかんが熱性けいれんに紛れている(熱性けいれんの7%がてんかんに移行する)。
今回はじっくりと検討が行われた。このような討議も基に家庭医専門医の報告症例としてまとめてほしい。(山本和利)