前半は、第一外科の水口准教授による「ガイドライン」の話。ガイドラインが出来るまでのプロセスをわかりやすく語ってもらった。
科学的に現象を説明しようとする場合、医療ではy=ax+bという一次関数にしたモデルを採用している。健康でいる率をY軸、喫煙年数をx軸にとるとS字型をとる。それを一次関数(直線)にしようとするには、Y軸の健康でいる率をオッズに変換してグラフを書くと指数関数に近くなる。そこでそのオッズをさらに対数にすると直線に変換できるのである。この手法が多重ロジステック回帰分析である。
そして現象がどのくらいその直線に乗るかみるのが寄与率である。このような多変量解析を用いて計算しても、生身の人間を対象とした研究では相関係数はせいぜい0.5にしかならない。つまり統計学的には、寄与率は0.5×0.5=0.25であり、人間を対象にした場合25%しか説明できないのである。とは言え、科学的であるためには、絶えず勉強して25%の科学性を確保する努力が必要であることを強調した。