「入院患者の血糖値はどの程度が適当か」について勉強してみた。
• Kansagara D, et al. intensive insulin therapy in hospitalized
patients: a systematic review. Ann Intern Med;2011154:268-82
では、31のランダム化臨床試験を分析している。
– ICUで強化インスリン療法をして患者の利益があるか?
– 不利益があるとしたらどういうものか?
プライリマリ・アウトカムとして1ヶ月以内の死亡率と入院率を検討している。
セコンダリー・アウトカムとして3ヶ月以内の死亡率、感染率、入院日数、低血糖をみている。
• 結果
– 有意差はなかった。RR:1.0(95%CI:0.94-1.07)
– 21%で敗血症が減った。RR:0.79(95%CI:0.62-1.00)
(研究により差がある)
– 重篤な低血糖が6倍増えた、
この研究から得られることとして、雑誌EBMのEbenezer Nyenweは次のようにコメントしている。
• 入院患者の目標血糖値を80-110mg/dlに設定するのは低すぎる。
• 目標値は140-180mg/dlがよい。
• (入院患者ではMetforminの安易な使用も慎むよう警告している)
入院患者に関しては、血糖値を低くし過ぎないことが最近の動向のようだ。(山本和利)