2月19日、札幌医大で、ニポポ研修医の振り返りの会が行われた。後期研修医:1名。他:6名。
ある研修医の外来経験症例。インフルエンザBが多い印象である。57歳女性。糖尿病にランタス1回ではコントロールが難しい。ACEIでの空咳を複数例経験した。62歳女性。悪性リンパ腫の両下肢の浮腫。下大静脈圧迫の疑い。生物製剤治療の予定となった。
往診事例。70歳代女性。家があるため生活保護になれない。糖尿病であるが、自己内服や注射ができていない。74歳女性。慢性頭痛。夫が死亡。トリプタノールを減少し、漢方薬に変更。頭痛のことをあえて訊かず、趣味の話をすることで愁訴が減少した。90歳代女性。血尿がひどかったが、抗菌薬で回復した。80歳代女性。DMのコントロールがメトフォルミン内服で改善した。90歳男性。排便コントロールが難しい。90歳代女性。腎不全、高K血症あり。発熱後、急死した。80歳代男性。PEGの管理。90歳代女性。誤嚥性肺炎。
研修医から振り返り1題。
ある胃瘻造設患者。90歳代患者の事例。認知症、胃瘻造設。アスベスト肺。
営林署勤務していた。80歳まで自営。87歳時、壊疽性胆嚢炎後、胃瘻造設となった。89歳時に自宅で療養となり訪問診療となった。
発熱、両下肺の浸潤影で誤嚥性肺炎。貧血が進み、輸血を受けた。誤嚥を防ぐ工夫をした。
夏に、脱水症が疑われた。体重減少の報告。
家族カンファを実施。輸血は行わない。血液検査をしない。急変時は入院を希望。その後、嘔吐、呼吸状態の悪化が起こり、誤嚥性肺炎となり、永眠された。
今回は、プロフェッショナリスムについて議論が交わされた。
コミュニケーション技法では、家族カンファを開いて、患者の立場にたって診療した。患者・家族の意向を尊重し利他主義を実践した。
反省点として、チームとして体重減少に執着しすぎて経管栄養剤を増やしたことがよくなかったのではないかと思っている。
静脈栄養と経腸栄養について調べた。誤嚥性肺炎の発症頻度は経腸栄養と胃瘻とで差はない。上半身挙上が有効である。
消化管運動賦活剤や半固形状流動食も考えるべきであった。90歳代の患者の体重を測らないという選択肢もあったのではないか。
今後、実践の場でプロフェッショナリスムを意識してゆくことが重要と思った。
(山本和利)