1月15 日、札幌医大で、ニポポ研修医の振り返りの会が行われた。後期研修医:1名。他:7名。
ある研修医の経験症例。外来、往診事例を数十例検討。
研修医から振り返り1題。
ある頭痛患者。70歳代女性。脳梗塞後遺症、頭痛、抑うつで経過観察されている。頭全体が重苦しく痛む。夫が死亡後に悪化。同時期にペットの犬も死亡。精神科にも受診し、SSRIを含め、多数の薬剤が処方されている。薬物乱用性頭痛も考え、NSAIDSを中止した。
ライフストーリーを聴取して、次のことがわかった。
中学卒業後、和裁、洋裁で生計を立てていた。脳梗塞後、右手が使えず、辛かった。手芸をしたいという思いが募る。よくみると寝具も手作りである。
コメント:病気や薬剤だけではなく、患者の背景や生き甲斐が症状に反映しているのがよくわかった。入院すると精神不穏となり、精神科に診てもらうが、処方だけで経過をみる患者も目にする。生き甲斐、生き場所も大切である。
今回は、生物・心理・社会モデルに基づいて議論が交わされた。(山本和利)