例年このセミナーは日本全国のプライマリ・ケアや地域医療に興味のある学生さん達が集まり、合宿形式で様々なワークショップや講義を受けて学んでいきます。
「医療コミュニケーション」は大学内で講義資料として纏めてきたものを学生、初期研修医向けに作りなおしたものです。今回はセミナー向けで対象者は合宿中の20歳前後の若者たちということで、彼らの最大の関心事である「恋愛」と「医療」を絡めながら、対人コミュニケーションの共通の基本(心理・言語的/非言語的コミュニケーション・職業的なコミュニケーション背景)について解説しました。内容については前日まで利尻当直中の松浦助教と遠隔インターネット会議を使ってかなり吟味し、練り上げたお陰で大変好評でした。なにより「札幌医科大学に入学すればこのような面白くてためになる講義が聞けるのか」と言われた事は講師として大変嬉しかったですね。
ポスターセッションは北海道からは当ネットワークも含めて4施設が参加していました。皆それぞれ人員を繰り出して熱心に説明とリクルート活動をやっていました。ポスターも今回に向けて旧来のポスターを刷新するデザインにしたのですが、当日貼りだしてみると、大事な所に誤字発見・・・・。画竜点睛を欠くというか・・・さらにスタッフは自分一人だったので、セッションの後半は講義の準備に重なってしまいました。このあたりを反省材料にして次回はより良いものにしたいと考えています。
夜は夕食後に学生さんと膝を付き合わせて懇談会を行い、進路の相談に乗ったり、ゆっくりと温泉に入ったりしながら親睦を深めることができました。今回私は初参加でしたが、我々の世代では想像も出来なかった全国規模の学生セミナーを、ITなどを駆使して組織化し運営している行動力と熱意には大変刺激を受けました。指導医側としても、彼らを惹きつける事ができるように精進して行かなければならないと気持ちを新たにしました。
将来この夏期セミナーで出会った若者たちの中から、北海道の地域医療に来てもらい、共に働く人材が出てきてくれる事を願ってやみません。(稲熊良仁 助教)